2019年9月6日金曜日

新人教育で考えたい3つの要素

北野です。

4月に入社した新人が半年を迎え、
成長に差が出始める時期になりました。
この時期は新人の教育についてのご相談が多くなります。

獣医師であれば、
「診察に全く出ようとしない」
「看護師業務ばかりやろうとして獣医師としての業務をやらない」
といった感じでしょうか。

こういった場合に、オススメするのが、
①Will-②Can-③Mustという3の要素を考えるということです。

①Will 本人がどうなりたいのか
②Can 本人は何ができるのか(自分にはできそうという自信)
③Must 本人は何をしなければならないのか

本人のモチベーションが最も高くなるのが
この3つの要素が重なるときとなります。

この①Will-②Can-③Mustを進める歳には、
まず①Willの確認が重要となります。
上記のようなお悩みを抱える対象の新人スタッフは、
どういったWillを仕事に持っているでしょうか?

「何かやりたいことある?」と聞いても、
ほとんどのスタッフさんが、「特にありません」と答えることがほとんどでしょう。

こういった場合には、質問の矛先を変えて、
「仕事で大切にしたい価値観」をいくつか聞いてみると良いかもしれません。

「正確に間違えずにできること」
「プライベートも大切にできること」
「とにかく早く成長すること」
など、何らかの答えは出てきやすいハズです。

これらの出てきた価値観について、
そう思う背景を深く聞いていってみてください。

「正確に間違えずにできること」
⇒ 昔飼っていた動物が誤診で亡くなった。
  それが獣医師になろうと思ったきっかけだった。

「プライベートも大切にできること」
⇒ 趣味の時間や家族との時間を持ちたい。
  仕事だけの人間にはなりたくない。

「とにかく早く成長すること」
⇒ 3年後には開業したいと思っている。
  今はそのための修行期間だと思っている。

など、価値観の背景には事情や理由があることがほとんどです。
こういった部分を聞き出していくことで、
本人の①Willを引き出していくことができるでしょう。

弊社独自のアンケート調査でも明らかになっていますが、
獣医学生が職場探しに求める上位基準に「成長できること」というものがあります。
つまり、学生時代には、ボンヤリながらも何らかの①Willを持っており、
それを実現できる場所を探しているといえます。

入社後は、社会人としての環境や変化や自身の技量・経験不足という現実を突きつけられて、自信を無くすことがほとんどでしょう。その状態では、従来持っていた①Willを強く心に留めて日々を過ごせるような新人は稀有と言えます。

「成長させる環境を用意する」ためにも、新人スタッフの①Willを改めて引き出していくというプロセスはとても重要になると考えています。

お気づきかもしれませんが、
これらを行うには日常的なコミュニケーションが必要となってきます。
時間も根気も必要になるでしょう。

しかし、この時間は将来には数倍になってプラスの恩恵をもたらすことになります。
是非、将来の自分のために取組んでいただきたいと思います。