2022年6月27日月曜日

百聞は一見にしかず

 北野です。

先日お会いした院長先生は、とにかく会いに行くということを大切にしているという。


コロナ以降、オンラインセミナーが活況になり、医療面のセミナーも経営セミナーも頻繁に開催されるようになってきた。


オンラインのメリットは何時でも何処でも見られることにあるが、現場の空気感だけは伝わらない。


また、WEBに載る=アーカイブが残る、意図せぬ使い方をされるという可能性もあるため、本音ベースの話は少なくなる。


我々もコロナ前には会場開催セミナーを行っていたが、収録がないことを理由に忖度ない情報提供も行っていた。今思えばギリギリの情報もあったと思う。


こういった世の中になってきたので、リアルの価値が非常に高まっている。前述した先生は、セミナーを聞いて気になった人がいれば直接現地に会いに行く。そして、セミナー内容について深く聞き、自院でできること、できないことを現場で判断されるという。


このようにして多くの情報から取捨選択された取組をだけを行っておられるため、精度も高いしスピード感も早い。


おそらくコロナ以前から実行されていることであろうが、コロナ以降も当たり前のように継続されていることが、更なる強みになっている。


弊社でもプラチナ会員様だけが集まり、情報共有を行うプラチナミーティングを7月に会場開催で実施する。年齢、地域など気にすることなく、本音やリアルな情報が濃縮されているイベントである。


外に出ると様々な情報に溢れている。

そろそろ外に出て、次の発展を目指していただきたい。

2022年6月17日金曜日

価格の参照点

北野です。

7月からフードの値上げもあり、その他の値上げについての相談が増えている。


値上げは上手に行えば利益増に繋がるが、マズい値上げは不満拡大となるため、進め方に注意が必要となる。


人の価格に対する思考として、「もともとの価格」や「相場価格」などを基点としてもっている。この起点を参照点と呼ぶ。


動物病院の場合は自由診療のため、相場価格がほとんど存在しないので「もともとの価格」である「自院の定価」が参照点となる。


また動物病院は多くのメニューが物販のような仕入れ価格に基づく価格設定ではないため、原材料価格高騰による値上げという説明がしにくいモノも多い。


人は損失を嫌がる「損失回避性」を持っている。そのため、得をするより損をするほうが、与えるインパクトが多いことになる。


この心理法則を利用した値上げ手法として、「値引き終了」というものがある。


これは、

1000円の定価を1200円に値上げする

②定価1200円のものを値引きして1000円で提供してきたが、1200円に戻す


という2つの方法だと、

①は200円の値上げという単に損を感じさせるのに対して、②はお得感の消失となるが今までの徳があった分、不満が生まれにくいという。


これらを考慮すると、単に値上げするよりも、今まで企業努力で割引していた価格を定価に戻すという案内が最も理解度を得やすいと感じる。


ますます価格には敏感になっていくと思われるため、心理面などを上手に活用していただきたい。

2022年6月10日金曜日

声の集め方

北野です。

会員動物病院様の全体ミーティングに参加することが増えている。


全体ミーティングの目的は、

・情報の全体周知(上から下)

・意見の収集(下から上)

2つを上手に組み合わせていくことにある。


良いミーティングは、正しい情報が上から下に伝わるし、下の意見を収集して進行状況をフィードバックすることが必要となる。


もちろん参加者の質と数によって、下からの意見のレベル差が大きく、下からの意見の収集が形骸化することも多い。


また、ミーティングの場で発言を求めると声の大きいスタッフへの同調圧力が起きやすく、荒れる要因にもなってくる。


これらを防ぐためにも事前アンケートを用いたミーティング形式をお勧めしている。記名式でも匿名でもよく、ミーティング議題に対して事前に解答を収集した状態で開催を行う。


玉石混交の意見の中から取り扱うべき内容を事前に絞れるし、発言はしないが意見を書くことはできるスタッフが実は多いことにも気付いてくる。


スタッフ数が増えると個別マネジメントが難しくなるため、こういった場を活用しないと現場の声を収集しにくくなる。


全体ミーティングは上からと下からの情報交流の場でもある。自院での状況を振り返ってみていただきたい。


2022年6月3日金曜日

なりたかった姿

北野です。

病院の業績が良くとも、モチベーションが上がらない、面白いことがない、と言われる院長先生が多い。


端から見るととても成功している病院でもである。そんな院長先生と話す中で気付いたことをお伝えしたい。


まず前提としてあるのは、ここ数年は世の中的に「不確実性の高い時代」であるということだ。現在進行形の新型コロナもそうだし、過去10年で自然災害含めて予測不能な課題が発生している。


そして次に、「答えを解くステージ」から「問題を見つけ設定して解くステージ」に多くの病院が入っているということである。


開業して10年ほどは、患者数を増やす・売上を増やすという問題を解くために解決策を実行していけばよい。


これらの問題はとても分かりやすく設定できるし、前年比20%増などと大きな数値で出るから解いた時の達成感も大きくなる。


一方である程度の規模感まで来ると、母数が大きいため成長しても一桁増となるし、キャパシティ要因により思うような成長ができなくなる。


これらは、売上増や来院数増という問題を、これまでと同等に解き続けていることで起こってくる。


こうなると、解き方をよりブラッシュアップして確度を高めるか、もしくは別の問題を自己設定しなくてはならない。


多くの院長先生は別の問題を設定するということを忘れて過去の延長線上に居続けることが多い。


延長線上にいることが悪いわけではない。それを解き続けることに楽しさとモチベーションを維持し続けることができるのであれば。


別の問題を探すためには、まずは以下を考えてみていただくとよいだろう。


・開業時になしえたかったことは何か?

・自身に関わる人にどんな影響を与えたいか?

・やりたいと思っていて手をつけられていないことは何か?


などである。つまりは、何らかの理由をつけて先延ばしにしていることを思い出していただきたい。


経営者は本来は何かをやりたい!という「欲」を持っているハズである。それが時間や人や忖度など、あらゆる理由でウチに秘め、いつの間にか忘れてしまっていることも多い。


もう一度その想いを思い出し、カタチにすることにチャレンジしていただきたい。


さらにその欲を「ビジョン」や「パーパス」などの言葉にしていけると、院長個人の欲求からチーム、組織の欲求へと昇華させることができる。


下期に向けて是非実行していただきたい。