北野です。
会員動物病院様と、来期の目標を話し合うことが増えてきている。
目標は達成できたことを認識できるように、
売上や外来数、新患数、手術数、採用数など、
数値化できるものを選ぶことが多い。
売上規模が一定以上になると、
診察室や診療時間、獣医師数などのキャパシティ要因によって、
売上の限界値が見え始めてくる。
こういった場合にキャパシティ要因を開放する取組で
目標設定を行うこともあるが、
最近は売上ではなく利益目標を用いることも想定しておきたい。
動物病院数は増加し、動物数は減少することは目に見えており、
従来のような売上拡大を目標とできる動物病院は少なくなっていく。
また、新型コロナウイルスで小康状態になっているが、
働き方改革という課題も根強く残っているし、
今年10月には過去最大の最低賃金の上昇が迫っている。
(余談ではあるが日本は世界的に見ると先進国の中で最低賃金は低い方である。)
さらに再来年には動物看護師の国家資格化も迫っており、
有資格者の手当など給与水準について悩む院長先生もおられるであろう。
このように、売上という外枠の目標のみでは、
知らぬ間に経費が増えていき、増収減益を繰り返す恐れもある。
一般企業の中には、「同じ利益額を得るなら売上は小さいほうが良い」
という考え方もある。
これはしっかりと利益を出すためには、
損益計算書ベースの段階ごとの利益を把握し、
改善を繰り返すということでもある。
売上増を目標とすると顧客獲得が第一優先となるが、
利益増を目標とすると価格改定や経費コントロールなど、
取組む打ち手が大きく変わってくる。
来年に向けて、自院の目標をどこに置くかを考えていただきたい。