5月14日に一部で緊急事態宣言が解除され、
残る特定警戒地域についても21日に見直しが予定されている。
まだ警戒が必要な東京においても人出が増えてきているし、
今月末にはかなりの人手になってくるだろう。
外出自粛による経済停滞の反動やリベンジ消費などの期待感もあるが、
マクロな経済動向を見ると中長期的な悪化は避けられないと感じる。
動物病院は様々な業種の中でも、今回のコロナの影響は軽微であり、
コロナの経済的な影響を現場的に感じている人は少ない。
特にスタッフさんにおいては自分事と捉える方は僅かである。
経営の目的はいくつもあるが、根本的には事業継続である。
動物(顧客)を守る、従業員を守る、そして経営者を守る。
事業の継続がなくては何も守れない。
そして事業継続の要は現金(キャッシュ)である。
黒字倒産という言葉があるように帳簿と通帳の数字は大きく異なる。
この通帳の数字を増やすためには原則として、
お金を借りるか、売上を作るしかない。
その売り上げを作るための活動がマーケティングである。
コロナによって何が変わるのか?
という議論は色んな場所で起こっていて、
楽観論もあれば悲観論もある。
ただ、間違いなく言えることは、
残念ながら従来とは同じ状態には戻らないということである。
最も大きな変化は価値判断の変化であろう。
今の3密対策という言葉に代表されるように、
そもそもその店や企業の持っている実力ではなく、
別の要素が重要視されるようになる。
どんなに味の良い名店でも、混雑していれば敬遠される。
こうなると、自院の実力の内に3密対策を設けることは必須になるし、
情報発信力が無いと敬遠され続ける。
病院の混雑状況を可視化できるか?というのも重要になるだろう。
星野リゾートでは、館内滞在者・宿泊者に対して、
過去データに基づく、館内施設の混雑状況を知らせるアプリの開発を行っているという。
今までの情報発信は売るための広告が主であったが、
今後は、選ばれるための広報が必要となってくるだろう。
情報発信の仕方が複雑になってくる。
広報とは、病院の在り方を伝えるものであり、
ブランディングのための取組でもある。
不況期は本物が選ばれることは、
過去の不況期からも証明されている。
多くの病院が広告のみを打つ中、
皆さんの病院は何を広報するか、
一度考えてみていただきたい。