北野です。
動物の高齢化に伴い、
治療や診断、手術を目的とした受診が増加しています。
もうすぐフィラリアシーズンが始まりますが、
予防よりも治療メインの飼い主様が多い病院もあるでしょう。
また、来院する動物の病気が複合的だったり、難治性だったりという声もよく現場で伺います。
病院規模が一定以上になると、飼い主様からの期待値も高くなる傾向があり、トラブルになり得るケースも増えてきます。
ここ数年で会員動物病院様で起きた飼い主様とのトラブルを振り返り、現在進めているトラブル防止策がいくつかありますので、概要をお伝えします。
(1)診療内容の記録
問診票やカルテなどの保管や、記載は当然ながら重要ですが、いわゆる言った言わないという証明のしにくいトラブルがあります。
こういったケースに対応するため、防犯目的も含めて院内に監視カメラの設置を進める病院様もあります。特に診察室内においては、録画だけでなく録音機能付きのカメラを導入することにより、診療内容の記録を行うことも可能です。
(2)裏同意書の準備
トラブルのいくつかは、説明内容の不備やミスコミュニケーションによるものではなく、説明した相手が手術同意における最終決定権者ではないことで発生したということがありました。
奥様が連れてきていて旦那さんがクレームを言ってくる、娘さんが連れてきていてお母さんがクレームを言ってくる、などのケースです。
最近はシッターさんが連れてきていているというケースも増えてきています。
こういった場合には、説明内容を工夫したりという病院側の努力による解決は難しいと言えます。むしろ、最終決定権者である方に情報が伝わり、最終決定権者の同意を取れるかが重要です。
そういった場合のために、最終決定権者への直接的な説明を行った上での同意がない限り手術は受けられないという旨のこれまでとは違う裏同意書の作成を進めています。
トラブルになりそうだな、と思ったら案の定ということもよくお聞きしますので、身を守る術を持つ必要性が高まってきました。
これらのようなトラブルは飼い主様との訴訟リスクだけでなく、従業員のメンタルリスクにも影響してきます。
経営基盤を高めるためにも、しっかりと対策しておきましょう。