2020年2月22日土曜日

個人が情報発信する時代


北野です。

新型コロナウイルスに関する影響が様々なところで出ています。
皆様も予防などを含め、お身体にはご自愛ください。

先日、YouTubeにてクルーズ船の船内の様子を告発する動画が公開され、
全世界的に波紋を呼ぶこととなりました。

私は、内容に関して意見コメントする立場にはありませんので、
差し控えますが、これを受けて感じた点をお伝え致します。

今回の動画については内容の衝撃さ・タイムリーさという点が通常とは異なるのですが、
その広がり方の速度感がこれまでになないものであったと感じています。
従来と異なり、全てが個人のTwitterFacebookなどのSNSでの投稿が起点となり爆発的に広がっていった点が、現代っぽい情報拡散だなと感じました。

海外での事例として、グレタ・トゥーンベリさんというスウェーデン在住の環境活動家の方がいます。彼女は15歳であった2018年に「気候のための学校ストライキ」という看板を掲げる活動を開始しました。この活動はSNSなどでシェアされ続け、1年後には世界中で100万人規模の学生ストライキに発展しました。昨年はCOP25での講演を行うまでになっています。

取り上げられている問題は、世界的なインパクトがある内容ではありますが、従来は一般の人には知られていなかった1個人の意見・課題提起がSNSを通じて加速度的に広がりやすくなっています。特に発信段階では影響力のある存在ではなかったものが、賛同者が集まり発信者の影響力が強くなっていくということもあります。

数年前にコンビニや飲食チェーン店でアルバイトスタッフがSNSに投稿した動画が炎上し、営業停止などに発展したケースもありました。SNSによる企業への影響は、計り知れないものになっているでしょう。


日本相撲協会やサッカーのプレミアリーグなどスポーツの世界でも所属する選手へのSNS利用禁止の議論が度々話題になりますが、一律に禁止することは時代にそぐわない対応と言えるでしょう。

むしろ企業・団体として、SNSにどのように向き合い・付き合っていくかを考えていく必要があるでしょう。社会的に透明性が求められる時代になっており、企業側に有利な情報のみを流し、不利な情報を隠すということへの反発がより強くなっています。

組織形態の1つでティール組織というものが注目され始めているのも、企業経営における情報の透明性が求められていることの一端だと感じます。

もちろん全ての情報を伝えることが常に正しいとは言えません。適切なタイミングで適切な情報を流すような情報統制が重要な場合もあるでしょう。情報は伝わる側のレベルによってその受取り方が変わるからです。

ただし、1個人が発信した情報が時流に沿えば、瞬く間に世界中に知れ渡る時代になっているのも事実です。

病院経営においては、院内外で様々なことが起こります。SNSに限らず情報発信リテラシーを病院側も身に着ける重要性をより感じます。