2020年1月24日金曜日

患者体験の向上


北野です。

世界各国で伸びているビジネスモデルを見ると、
顧客体験を重視している傾向にあります。

従来は商品(モノ)やサービス(コト)を提供して終わっていたものが、
アフターサポートやカスタマーサクセスを充実させ、
顧客との長期的に繋がりを持っていくモデルに変化しています。

動物病院の場合は、もともと継続的に来院しやすいビジネスモデルのため、
患者の固定化よりも新規患者の獲得に意識が向きやすいといえます。

ここ数年の動物病院業界をみると、
・犬頭数の減少
・動物病院数の増加
・動物の高齢化
などが起こっています。

売上は増加しており来院数は増加しているけれど、
実はカルテ数自体は減少していたということもあります。

つまり、カルテ数(動物個体数)自体は減少しているけれど、
動物の高齢化による、単価向上・来院回数増によって売上維持・向上している
というケースが多くあるのです。

今後は今まで以上に飼主様に継続して来院していただき、
長期間にわたって関係性を築いていける体制にしていくことが必要でしょう。

ここで重要なのが患者体験をいかに向上させることができるか?
という視点です。

動物病院に来る患者様は、病院以外では消費者として生活しています。
スーパーなどの小売店、飲食店などのサービス業、ネット通販、人のクリニックなど、
常に色々なサービスを受けています。

つまり、消費者でもある飼主様達は
常に新たな顧客体験を経験している人たちでもあるのです。


他業種よりも遅れていると言われている、人の医療業界ですら、ネット予約、自動受付機、タブレット端末での説明資料、オンライン診療、自動精算機、アプリによる医療情報の共有、電子カルテなど主にシステム面での患者体験の向上が先行的に行われています。

動物病院業界はどうでしょうか?
まだまだアナログ対応をはじめマンパワーによる対応が中心です。
この状況をどう見るか?
先手を打って対応できた病院が頭1つ飛び出せるということです。

2020年は5Gの登場など、世の中が飛躍的に進化し始める年になります。
顧客体験の向上について今年は真剣に考える必要があると感じています。