2019年8月23日金曜日

健康経営

北野です。

ここ3ヶ月で複数の会員様から、
「従業員の心身を考えた取組を行いたい」というご相談をお受けしました。

働き方改革関連法などの施行により、
残業時間削減や有給取得などの取組は進めているが、
外来や手術も多くとても忙しく、これだけではスタッフが心配だということです。

従業員50人以上の事業場は労働安全衛生法で産業医を選任や
ストレスチェックの実施が義務付けられていますが、
多くの動物病院様がこの対象外となります。

採用難時代でもありますし、従業員の定着化のためにも、
長く働ける職場づくりはますます重要になってくると感じています。

こういった視点で最近注目されてきているのが、「健康経営」という概念です。

経済産業省の定義によると、「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されています」

また、こういった健康経営に取組む法人を認定する制度として「健康経営銘柄」の選定も行っています。

■参考 経済産業省 「健康経営の推進」
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenko_keiei.html

中小企業がこの健康経営銘柄の認定を受けるということは、審査内容のハードルを考慮すると難しいかもしれません。しかし、多くのヒントがあるとも言えます。ぜひご覧になってみてください。

横浜市のように市区町村単位で認定を行っている場合もあります。こちらは中小企業が主となるようです。

■参考 横浜市 「横浜健康経営認証について」
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/kenkozukuri/kakushu/life_style/ninsho/page01.html


病院で行える健康経営の取組としては食事系・運動系の2種があると考えています。

(1)食事系

一般企業でも多く取り組まれていますが、栄養に配慮した食事を提供するものです。
社食を作るというわけではなく、お弁当を取る、

最近は「オフィスおかん」のように、1品100円で健康的なお惣菜を提供してくれるサービスもありますし、院内に自由に飲める野菜ジュースを設置している病院様もあります。

食事の企業からの提供については、一定額を超えると、現物付与となり所得税の対象となる可能性もありますが、こういったサービスを利用することでクリアできることもあります。
詳しくは顧問会計士さんにご相談ください。

■参考 オフィスおかん 
https://office.okan.jp/

(2)運動系

スポーツ好きの院長先生の場合に、
スポーツクラブの法人会員に入るというのが多いでしょう。

しかし、残念ながら使われないことも多いようです。
こういったものに代わり、ヨガ講師を毎週招聘してのヨガ教室を病院内で
開催している病院様もおられます。
なかにはスタッフさんが講師を務めている場合もあります。

他にはマッサージ師や鍼灸師を呼んで、
希望者が施術を休憩時間に自由に受けられるなどの取組もあります。


こういった既存スタッフへの取組を行うことは、求人採用においても有効な取り組みになるともいえます。ぜひ、出来る範囲で取り組んでみてください。