2022年3月11日金曜日

教育における落とし穴

北野です。

セミナーの中でもお伝えしているが、
教育の在り方を変えていく必要があると感じている。

教育には
・あり方教育
・やり方教育

の2種類があり、これを混同しないことが望ましい。

また、ここ数日多くの院長先生と議論しているのが、
スタッフ個々に「どうなりたいか?」というレベル感が異なっており、
教育におけるギャップが発生していることである。

教育に力を入れている・真面目な病院ほど、
ここに落とし穴があるように感じている。

多くの場合、教育する側(先輩など)は、
「こういう状態になって欲しい」と思って新人へ教育を行う。

「こういう状態になって欲しい」というイメージは、
「獣医師として1人前に」「看護師として一通りの業務ができるように」と
フワッとしていることが多い。

従来は、教育を受ける側が「こうなりたい」と思っているイメージと
教育する側が「こういう状態になって欲しい」と思うイメージが
比較的近い状態であったため、大きな問題なく教育が進んでいた。

しかし、
・動物病院で働く中での診療外業務の増加
・獣医療の広範囲化
・マルチタスク化の必要性
・先輩と新人との世代感覚のズレ
・採用の難易度向上
・学生数の減少

など様々な要因にて、
従来の教育が通用しなくなってきていると感じている。

特に獣医師などは、
新人本人が「このレベルまでできれば十分」
と思っているレベルが低下しているように感じる。

先輩が新人に対して、10を目指して教育するけれど、
新人は5の状態を達成すれば十分と考えて入れば、
この差5のギャップが生じて、教育におけるミスコミュニケーションが発生する。

この結果、「こんなつもりではなかった」と退職に繋がる可能性もあるだろう。

これらを防ぐためには、
相手のイメージレベルがどの程度にあるかの確認はもちろんだし、
教育においても相手のイメージと覚える項目の連動性を伝える必要もあるし、
採用時点から互いのイメージ把握に努めることも必要になるだろう。

採用市場が非常に激化している中で考えていきたいテーマである。