2021年6月18日金曜日

意味を変える

北野です。

女性専門調査会社の最新の報告書によると、商品やサービスの購入基準が「イギ」に変わってきているという。今までの変化をみると「モノ」⇒「コト」⇒「イミ」⇒「イギ」となっている。


昨年からの新型コロナウイルスの影響にて価値観の変化が起こっているというのは、よく耳にする言葉ではあるが、「それを購入する意義」を重視するようになったという。


SDGs(Sustainable Development Goals【持続可能な開発目標】の略称)や、レジ袋削減、地球温暖化対策などに代表されるように、我々の消費行動による影響と消費する意義とを比べて考えるとも言える。


そのため、企業側にとってみれば納得させる材料を用意する必要が出てきている。獣医療はそもそもが「生命」という根本的意義に関わる分野を扱う業種であるため、価値観変化の影響はそもそも受けにくい。


一方で、動物頭数減少、動物病院数増加というここ数年変わらない競争激化トレンド禍においては、限りあるパイを奪い合う構図になってきているため、新業態付加、業態専門化、業態ズラシのような新たな切り口の開発が必要になる。


ここ数年でみると、「猫ブーム」に則した「猫特化」で猫専門分院の開院、猫専門診療時間帯、ISFMの認証取得などが代表例である。ただし、これらは上記の「モノ」⇒「コト」⇒「イミ」⇒「イギ」というプロセスにおいては、猫専門病院に通う意味という段階であり、意義の段階にはまだ踏み込めていない。


意義の段階に踏み込むにはもっと包括的に訴求を行っていく必要があるが、医療的な専門や性独自設備など明確な差別化となる要素も併せ持たないと「イギ」は訴求しにくい。


こういった場合は、「イミ」と「イギ」の間くらいのイメージで、「意味を変える」という手法をお勧めしたい。先ほどの「猫特化」でいけば「猫だけが来院するので犬を気にせずに安心できる場所」から、「猫好きだけが集まる社交場所」というように、競合他社とは違う意味を付加していくことで差別化を行っていく方法である。


動物病院業界には、まだまだ「意味を変える」ことで強化できるポイントがあると感じている。ぜひ、自院のサービスで考えてみていただきたい。