北野です。
組織体が大きくなるにつれ、階層構造、役割分担などの分散が拡がっていく。
人が管理できる限界数は一般的に5-7名と言われており、マネジメントを行う上で業務や管理階層の分散は欠かせない。
世の中の平時・非常時、雇用における売手市場・買手市場状況など、外部環境によってマネジメントスタイルも変えていく必要があるが、今のような非常時の売手市場においては、トップダウンのグランドデザインに基づいた意思決定プロセスを整備する必要があると感じる。
非常時には、スピードが重要であるため、ボトムアップを待っている時間はなくトップダウンが必要となる。
一方で売手市場では雇用定着を考える必要があるため、いわゆる無茶振り丸投げなどのトップダウンは避けなければならない。
これらを踏まえると、まず全体が参照する方向性や道筋といったグランドデザインを整え伝えつつ、その範疇での権限移譲や意思決定プロセスの決定を分散していくことが重要になる。
分散とは経営においては手段の移譲でしかなく、目的を定めるのはトップの役割である。ここを明確にトップが自覚することが必要となる。
その上で、分散の中では目的と手段の切り分けを意識させ、手段が目的化することを防ぐ必要がある。
無茶振りや丸投げが発生する場合の多くが、受取手側が、手段が目的として理解してしまうことで発生している。目的が理解できていないために、指示が不明瞭となり、無茶振りと感じられてしまうということになる。
では、伝え方を工夫する、下の理解度が成長するのを待つかというと、現実的ではない。スピード感が圧倒的に落ちるし、相手のレベルに常に合わせる必要が出てきてしまう。
そういったことを防ぐためにも、方向性となるグランドデザインを整えることで「何のために?」という目的を統一させることができる。
そして、目的と手段を常に連動させるコミュニケーションでマネジメントを行っていく。こうすることで、程度の幅はあるものの方向性をずらさずに取り組んでいくことができるようになる。
院長のリーダーシップがより重要な時代だと言えよう。