北野です。
10月の消費者物価上昇率が3.6%と40年8カ月ぶりの伸びとなるなど、各所で値上げが続いている。
会員様の現場感においては、まだ物価高による影響はさほど見られないが、飼い主様の価格に対する見方はシビアになっていくだろう。
「納得感(満足度)=価値/価格」
という公式がある。
価値>価格なら納得して支払うが、価値<価格なら支払いへの金銭的負担感が高くなる。
そもそも獣医療の場合は必要性・緊急性が高いものであり、金銭的負担感が高くとも支払われることが多い。この点は嗜好品などとは異なっている。
しかし、納得感なくしては継続は難しく、インフォームドコンセント含めた価値創出を意識していただきたい。
価値創出には様々な方法がある。ある会員様ではペットホテルが高いと飼い主様から指摘されたという。
ウチはこんなことをやってるんです、だからこの値段なんです、と細かく説明したところ、「それ、もっと他の飼い主さんにも伝えたほうがいいですよ。もったいない。」と逆に応援してくれたという。
この会員様では、ペットホテルの部屋空間作りから、フードをあげる際の食器のセレクトまで、1頭1頭に合わせたカスタマイズサービスを提供されていた。
でも、飼い主様は預けている間のサービスなので、全く知らなかったというわけである。
このように、動物病院において実施しているサービスの多くは、院長先生方が思っている半分も飼い主様に、その価値が知られていない。
上記の会員様では、以降ペットホテルの案内には預かり中のサービスをフローや写真などを使用してビジュアルで分かりやすく伝えるように変更した。
飼い主様によっては、ここまでやってくれるなら、この値段でも安いと思う方も出てくる。
サービスの価値を伝えるには、
・飼い主様に見えていない部分を見せる
・飼い主様に院内サービスを体験してもらう
・飼い主様に楽しんでもらう
などの視点で考えていただくとよいだろう。
医療サービスからケアサービスまで、院内でやっているもの全てに適応できる。
ぜひ、楽しみながら価値創出に取り組んでいただきたい。