2021年10月29日金曜日

共感を生む組織

北野です。
最近書店などで「Purpose」に関する書籍が増えてきている。
Purposeは直訳すると存在意義となる。


この先の企業経営にとっては、
企業の存在意義を明確にし、どのように伝えていくか?
というのが必要になるという。


動物病院というのは、一般的な業種とは少し異なり、
社会インフラに近い業種となる。


そのため、「動物の病気を治す」というのが、
自然と動物病院の存在意義となるのだが、
競争が発生する中では、その存在意義をさらに拡大する必要があるだろう。

原則、存在意義というのは1つとなり、

(1)対飼主様
(2)対従業員
(3)対求職者

という3つの対象に向けて表現を変えて分かりやすく発信することになる。


これらが必要になる背景には、
(A)顧客市場
(B)人材市場
(C)金融市場
という3つの市場での変化による。

SDGsを代表とする環境志向やエシカル消費の高まり、
お金よりも価値観や社会貢献への職業意識が高いミレニアム世代・Z世代、
ESG投資を重視し始めている金融市場など、

今後さらに企業の存在意義が重要になってくると感じる。


繰り返しになるが、
動物病院はもともと存在意義が既に比較的明確な業種である。

しかし、それは全国に13,000軒ほどある動物病院の
全てが同じである。


そこに甘んじることなく、
先に1歩2歩と枠を広げられた場合には、
先行者メリットは非常に大きいだろう。

是非、自院の存在価値について改めて考えていただきたい。


2021年10月21日木曜日

挑戦するチーム

北野です。

来年に向けて準備を始めている会員様も多い。


コロナ以降、売上は伸びているが、心理的な停滞感もあり、活性化するために新しい取組を始めることをお勧めしている。


新しいことを始めるとき必ず起こるのが、面倒そうな顔をするスタッフ達の存在である。


トップとしては、張り倒したくなる気持ちをグッと堪えて対応していく必要があるが、互いに気持ちよくやっていくためにも、メンバー選定が重要になる。


そんなことを思っていたところ、ある方のメルマガで「挑戦するチーム作り」的な内容があり非常にドンピシャな内容だったので共有したい。


ただし、有料メルマガのため転用不可であり、表現やニュアンスは変えている。


そのチーム作りのためには、

①素直であること

②面白がれること


という要素を持つ人をメンバー選定することが必要とある。


素直であることとは、

・まずはやってみる、ができること

・否定から入らない、言い訳をしないこと

・人の話を最後まで聞けること

・間違ったら謝れること

・嘘をつかないこと


などを指す。


新しいことをやる際は、不確実なことが多く、朝令暮改的に変化させることがある。スピード感が大切なこともある。


頭の回転が速い人は、話の途中で結論を自分なりに出して分かった気になることも多い。しかし、往々にして間違ってることも多い。


なので、素直で無い人がいると、雰囲気を壊すし、無駄な時間を使うことになり進行を止めてしまうことになる。




面白がれることとは、

・知らないことを知ろうとすること

・自分の経験だけで判断しないこと

・失敗してもそこから学べること

・自分で意味を見出せること


などを指す。


新しいことをやる際は、そもそも未経験のことも多いので知らないことばかりである。知らないことを知るためには、自分で知る努力をすることになるし、自分の経験という極々狭い世界で判断しないことが必要になる。


そもそも新しいことをやるということは、自分の本来業務にプラスして行うことになるので、そこに自分なりの意味を見出せないと続かないだろう。



これらを書いていて感じるのが、この2つの要素を持つ人ほど、成長するということである。


逆にこれらを持てない人は、どんなに素養が優秀であっても成長は鈍化し、停滞することになる。あるいは個人事業主として独立して、自身の才能のみで活躍する道を選ぶとよいだろう。


これらはあくまでもチーム内で働くという前提でもある。仕事をやるのであれば互いに楽しくやれると最良だ。


人が人を変えることは不可能だが、変わるための気付きを与えることは可能である。


ぜひ、スタッフ教育の一環として2つの要素について伝えていただきたい。

2021年10月15日金曜日

選ばれる動物病院になるための前提と条件

北野です。

現在開催中の時流予測セミナーでもお伝えしている内容であるが、選ばれる動物病院になるためには1つの前提と3つの条件があると考えている。


1つの前提】

自院の情報発信力が正しく備わっていること


3つの条件】


1)治ること

2)分かること

3)便利なこと


となる。


どんなに3つの条件を備えていても、自院の存在を知ってもらわなければ存在していないのと同じである。


情報発信はWEBSNSなどのデジタル媒体、看板、チラシなどのアナログ媒体とある。これらを効率的に活用することが必須となる。


さらに3つの条件としては、

そもそもの動物病院に対する根本的ニーズである治療、治癒は欠かせない。外からは分かりにくいが、口コミなどの発展に伴い、腕の良し悪しも評価されるようになってきている。そもそも見えにくい部分ではあるので、自院の技術力については実績などの数値にて発信することも必要だろう。


しかし、どんなに腕があっても、全ての病気を治すことは不可能である。そこには、金銭面という飼い主様側の原因もあれば、手遅れなどの病気自体の原因のこともある。そういった場合には、飼い主様がその状態を分かるという状態にしなくてはならない。


理解する納得するなどの状態にすることである。このためには分かりやすい説明というインフォームド力も必要になるし、相手に寄り添うという人間力も必要になる。


こういった人対人の関わりを強化する一方で、いつでも予約できる、知りたいときに後から振り返られる、といったようなデジタル的な便利さも求められるようになってきている。


労働時間削減や業務効率化のためのタスクシフティングを進めていくことで、同時並行的に対応できるようになるだろう。



今までは動物頭数の減少という話題はあっても、高齢動物の増加という単価向上ボーナスがあったため売上への影響は軽微であった。


しかし、動物総数が減り、高齢動物数も減りという状況になると、選ばれる理由を作り続ける必要がある。


何もしなくとも集まる動物病院は一握りである。これらが現実化する前に行動を開始していただきたい。

2021年10月8日金曜日

手段の目的化を防ぐには

北野です。

1弊社の1年で最も力を入れているセミナーである時流予測セミナーが10日より始まる。


その中で話していることでもあるが、目的と手段を意識することが重要となる。


今、病院現場の多くでは忙しい状態が続いており、コロナによる自粛傾向も合わさって新たな取組を始めるモチベーションが上がらない状態が続いている。


このように限りある院長の時間を効率的に使うには、病院経営の目的に基づく取組の取捨選択が必要だと感じている。


今回のセミナーでも多数の具体的事例を紹介するが、どれを始めるべきか悩む方もいらっしゃるだろう。全て行えれば良いが現実的には取捨選択が必要となる。


その中で目的と手段を意識しておかないと、手段の目的化が起こりやすくなる。


LINEFacebookInstagramなどの取組を始める時に、始めたものの何を配信すればよいか?といった相談を受けることがある。本来は目的があって取組を始めたハズが、いつの間にか取組が目的化していることの典型的な例だろう。


これらを混同しないように意識していただきたいのが、目的戦略戦術戦闘という区分けである。戦略戦術戦闘部分が手段となる。


定義として、


【目的】

→ どうなりたいか?どうありたいか?


【手段】

→ 目的を達成するためにとる方法


1)戦略

→ 目的を達成するための資源配分

→ 何をやり、やらないかの選択と集中


2)戦術

→ やることを実現するための具体的プランニング


3)戦闘

→ プランニングを実行するための具体的ツール・媒体


としている。



つまり、LINEInstagramなどの取組は戦闘部分に属することとなり、目的を最上位とする概念では戦略によって、そもそもそれらの取組をしないという考え方もあり得ることになる。


繰り返しになるが、余裕があるのなら情報発信含めて全ての取組を行えるほうがよい。しかし、現実的には予算、人手、時間などの都合で難しい。


また、複数を中途半端にやるよりも、1つに集中できるほうが効率・効果も高くなりやすい。そのため、やはり選択と集中が必要となる。


今回のセミナーは現時点での最新事例を多数盛り込んでいる。ぜひとも会員の皆様にはご覧いただきたいが、手段の目的化にも、ぜひ注意していただきたい。


2021年10月1日金曜日

教育基準をどこにおくか?

北野です。

10月から最低賃金が過去最大の増加となった。

他業界では新規雇用を控えたりするところも出てくるであろう。


会員様の中には、未経験者採用を積極的に行い、優秀な人材の獲得を行えているところもある。


未経験者採用において、よく出てくるのが、応募者の知識不足への不安や教育者の手間の問題である。


こういった不安を口にする病院の多くが、過去に何らかの失敗をしており、その記憶に引きずられていることがある。


話をよく伺うと、教育側よりも新人側に問題があるケースが多い。こういった背景から新たな教育体制の整備や思考回路の転換などが求められるのだが、あの時採用した子にはこれは使えないとか、優秀な人だと使いこなせるけど・・・とかの諦めモードに入ってしまい、結局何も変わらないことが多い。


これは視点を間違えている典型例で、優秀な人を採用したければ、優秀な人に基準を合わせた教育体制を用意するべきで、低いレベルに合わせてしまうと、優秀な人材は採用できなくなる。


教育体制を整備することで優秀な人が魅力を感じて入社する。そして、着実に成長して戦力となっていく。さらに新規雇用においては、成長例として存在することで応募者への実績として訴求できるようになり、良い新規雇用のサイクルとなっていくことになる。


全てのスタートは、視点を高く持つことと変化することである。


諦めモードから脱却していただきたい。