2021年11月26日金曜日

ペインポイント

北野です。

最近考えていることの1つに情報発信におけるペインポイントの解消がある。


ペインポイントとは、サービスや商品を利用・購入する人が、利用・購入時に感じる不便さや課題のことを指す。


近い言葉にニーズというものもあるが、ニーズよりももっと根っこにある課題を指す。


この発想は、対飼い主だけでなく、対求職者など様々な場面で必要となる。


ペインポイントを把握する方法はいくつかあるが、単に課題を解消だけでなく、より突っ込んで相手の不幸せとなる状態を理解することを念頭におきたい。


ペインポイントには、大きく分けて、


1)心理面

2)立場面

3)物理面


3つがあると考えている。


どういうことかというと、ある飼い主様が初めて行く病院を探しているとする。


その人は以前行った病院で先生に厳しい言われ方をしたことがあるから、優しそうな先生に見て欲しいと思っている(心理面)。


その人は子供がいて、土日は子供の行事が多いので平日しか病院へ行けないし、夕方には子供のお迎えがあるので、早い時間帯しか通院できない(立場面)。


車の運転が得意でないので、歩いて行けるか車の停めやすい病院がよい(物理面)。


など、様々なペインポイントがあるとする。この飼い主様に自院を選んでもらうためには上記3つのペインポイントの解消策を情報発信しなければならない。


もちろん、全ての飼い主様のペインポイントを解消することは不可能であるが、あらゆる面で事前に検討しておくと、より精度は高まっていく。


しかし、相手のペインポイントを把握しようとせず、自院視点のみで情報発信を続けていれば、数ある中の1軒で終わってしまう。


「そうそう、こういう病院を探してた」となるためにも、ペインポイントの把握と解消に努めていただきたい。





2021年11月18日木曜日

一次情報と二次情報

北野です。

経営に携わる者はあらゆることを判断する必要がある。


判断するためには情報が必要となるが、情報には一次情報と二次情報の2つがある。


一次情報とは、

・自分が実際に目でみたもの

・自分が実際に体験したもの

・自分が実際に聞いたもの


など、自身が直に情報に触れたもの。


二次情報とは、

・誰かから聞いたもの

・何かに書いてあったもの

・セミナーなどで聞いたもの


など、何らかの第三者を介しているものを指す。


コロナ以降は、ソーシャルディスタンスや移動制限、リモートの普及などにより、経営者が現場や当事者と直に触れ合うことが少なくなっている。


前は一次情報が自然と入ってくる状況であったが、今は二次情報しか入ってこないようになっている。


特定のスタッフの評価を、誰かが言っている情報をもとに下すということにもなってきている。


再度以前の状態に戻すことが望ましいのではなく、一次情報と二次情報の違いを意識したうえで、必要なタイミングで一次情報を取りにいくようにしたい。


もともと、動物病院院長はあらゆるモノを自分で把握したいという特性の方も多いため、自然と情報の取捨選別ができるようになった今の状況はむしろ望ましいといえる。


しかし、習慣とは恐ろしいモノで、一次情報に触れなくなって時間が経過すると、それに違和感もなくなってくる。


つまり一次情報無しであらゆる判断をしていくことになり、特に過去の感覚が通用しにくいテーマでは非常に精度が低くなりがちになる。


様々な判断をする際に、自身の判断基準が一次情報、二次情報のいずれに基づくのかを意識していただきたい。

2021年11月5日金曜日

期待値コントロール

北野です。

最近会員様に話していることの一つに、期待値コントロールがある。


現場では忙しい日々が続いており、業績的に好調な病院様が多い。


業績的が好調な要因の1つに、高齢動物の来院がある。高齢動物は何らかの病状があることが多く、そのため来院回数も多いし診療単価も高くなる。


見た目的に来院数は大幅増になっていても、カルテ数は微増となっていることがあるのは、これが理由である。(自院のカルテ数の増減も確認いただくとよいと思う。)


高齢動物の来院が多いということは、飼い主様の求めるものが、病気の治療、病状の正確な把握、今後の見通しの把握などになる。


自分の子が、どういう状態(病気)で、どの程度の回復見込なのか、どういう治療をしていくのか、どういう見通しなのかを知りたいということになるので、コミュニケーション的に満足度を高めるためには練度が必要になっていくだろう。


この層を獲得していくことが、この先より重要になっていくため、HPを始めとするWEB媒体で広告宣伝を強化していくが、飼い主様の期待値は比例して高まっていくことになる。


つまりこの先、経営的には高齢動物獲得が求められる一方で、高まる期待値に応えられないと期待外れとなり再来に繋がらなくなってしまう。


当然、教育には力を入れてはいくものの、それなりに時間はかかるし、従業員のモチベーション次第にもなってしまう。


そういったジレンマに今後陥ってしまうことが予想されている。


そこで、冒頭の期待値のコントロールをできる体制作りを進めておきたい。


現状考えられる方法としては、

1)予約時問診での期待値把握

2)主訴別窓口での期待値分散


があると考えている。


予約制を導入している病院も増えてきており、予約時のオンライン問診などで主訴の確認や内容把握により、適切な獣医師を対応させていく。


もしくは、病気来院と予防来院や、重症来院と軽症来院などの主訴別に診療体制をおいて、ある意味2病院体制的に対応していく。施設を分けることも時間を分けることもできるだろう。


などの方法である。

いずれも、飼い主様の来院時における期待値に基づいた対応や病院作りができるため、満足度の向上に繋がやすい。また大きな期待外れを起こす心配もなくなっていく。


他にもこのような体制に移行するメリットも採用面、教育面においても多々あるだろう。 


ぜひ、どのように期待値をコントロールするかをイメージしていただきたい。