2021年12月24日金曜日

フィラリア時期のオペレーション

 北野です。

今月に入り、各病院で来春のフィラリア時期のオペレーションを話し合っている。


情報発信の結果、高齢動物の来院増が実現し売上増になっているものの、予防比率はさほど上がっていない病院は特に重点的に行っている。


 1ドクター病院

 2-3ドクター病院

 4-ドクター病院

3パターンで組み上げている。


来年早々にセミナーなどで概要をお伝えしたいと考えているが、考え方の基本は


 診療と予防レーンの分化

 予防レーンでの獣医師パートの最小化

 看護師業務の強化


3つが主となる。


特に、再来年からは動物看護師が国家資格となり、採血ができる見込みとなっているため、再来年を見据えたオペレーション構築も目指している。


上手くいけば、フィラリア来院のほとんどを動物看護師で回せるようになるだろう。来年はそのテストケースとなる。


予防時期には病院の使い分けが発生しやすく、待ち時間対策と情報発信を適切に行わないと、予防シーズンの予防部門売上が減少する可能性もある。


診療効率化を目指す場合にはチャレンジしていただきたい。

2021年12月17日金曜日

お金の出所

北野です。


年末になり評価を行う病院が多い。

評価後にスタッフ面談などをすると「自分の働きと評価とお金」に対する不満が出てくることがある。


極端な話、

「院長が全然働かないのに高い給与もらえていいですよね」みたいなものが飛び出てくる。


この問題は、そもそもの役割が異なることが根底にあるので、しっかりと説明しておく必要がある。この時にお伝えする話を共有したい。



まず、前提となるのが経営者とリーダー(中間管理職)と従業員の役割の違いについて。


会社が従業員を雇い、給与を払うには当然売上が必要となる。この売上作りにおいて3者で役割とが異なるため、給与が決まる評価ポイントも異なることになる。


経営者

→ 

【役割】

・未来の売上作りのレールを敷く(未来)

・売上の基盤作り(過去)


【評価ポイント】

・お金が生み出される基盤作りの功績(過去)

・将来的にもお金が生み出されるための布石(未来)



中間管理職

【役割】

・敷かれたレールでメンバーが全力疾走できるようにサポートして売上を作る(近未来)


【評価ポイント】

・メンバーを取りまとめての目標(結果)達成


従業員

【役割】

・レールの上で全力疾走して売上を作る(現在)


【評価ポイント】

・目の前の業務の完遂


ざっくりシンプルに書くとこんな感じになる。


つまり、経営者は過去と未来で役割があるのに対して、従業員は現在に役割がある。そして、給与をもらうための評価ポイントについても3者大きく異なっている。


冒頭の発言をするスタッフさんは、この役割の差を認識できていない。むしろこれは当然で、経営者と従業員とでは視点が異なるので、自然と分かってというのは無理がある。


院長が今に忙殺されていたら、未来作りができなくなってしまう。遊んでいるように見えて未来をこう考えているんだよということを是非伝えて頂きたい。


でも、恩着せがましくて言いにくいという声も聞こえてくる。そこでお勧めしているのが定期的な経営方針発表会の開催。


こういうことをしてきたよ、こういうことを考えているよ、という院長の頭の中の構想をまとめて従業員に伝える機会を設けておく。


どこからお金が生まれ、人知れず売上に貢献している人を表に出して評価する。


見えないことは大きな不安となる。

年明け1月に是非開催して頂きたい。

2021年12月10日金曜日

未知との遭遇

 北野です。

ある経営者の言葉に「成長するためには、旅をする、人に会う、本を読む、の3つが重要」というものがある。


何れも未知のものに触れることにより刺激を受ける、ということが共通することだろう。


15年ほど経営コンサルタントとして、全国各地の動物病院様に日々お伺いするために移動している身としては、この言葉は非常に身をもって感じる部分がある。


また、出典は定かでないが、脳科学的にも移動中に車窓から流れる景色を見ることにより、脳が活性化するという話を聞いたこともある。


日々院長とお会いする中で、様々なお悩みをお伺いするが、最も多いモノは「日々が楽しくない」というものである。


コロナによる停滞感などの気持ち面もあるが、実は多くのケースが「未知に触れる機会の消滅」が原因でないかと感じる。


日々お忙しい院長にとって、元々出歩くほぼ唯一の機会でもあったセミナーも、オンライン化が進み、現地に行かなくとも聞けるようになってしまった。


日々の業務や習慣の中に未知はほとんどない。自ら意識的に未知に触れる機会を作らなければ、刺激は産まれずより停滞することになるだろう。


こんなことを考えている時に聞いた対談で、印象に残ったものがあるのでご紹介したい。


それは、日々の中にいかに意識的にノイズを入れるか?というものであった。ノイズとは仕事や暮らしに直接的に関係の無いものを指す。


一見関係の無いものであっても、いつかどこかで何かと結びつき、その体験が芽吹くタイミングがあるという。


この時の具体的な取組として紹介されていたのが、

・体験会

蕎麦打ち体験や乗馬体験など、1回限りでよいので初めての経験をしにいくこと。


・雑談

→ 仕事時間中であっても、仕事以外の話をする機会を作ること。ただし雑談をする時間を作るのではなく、自然と雑談が生まれることが大切。


・若手と遊ぶ

→ 若手は未知の宝庫。年代が違えば価値観も違うし非日常を味わえる。


というものであった。


年末も近づき、少し時間が取れるようになるだろう。束の間の休日ではあるが、何か1つでも未知とよ遭遇を果たしていただきたい。

2021年12月3日金曜日

慢心と再構築

北野です。

組織として、人としてある一定のタイミングで、伸び悩み停滞するタイミングが出てくる。


それは、数字に表れる顕著なものであったり、いつもと違うなという違和感であったり様々な形で表れる。もしくは気づかないままかもしれない。


特に経営者となると、誰かが指摘してくれるわけでもないため、自分の中で気付き解消していく必要がある。


これらが起こる原因には、慢心と過去の成功体験に基づくことが多い。


時流というように、時は常に流れており、常に一歩前に出ていかなければ取り残されることになる。


今が上手くいっていても、不安がなくても、順風満帆であっても、慢心を取り除く努力を続けなければならない。


そして、慢心を感じれば、過去の成功体験ややり方を見直し、再構築することが望ましい。


慢心が無いのかを常に考えておきたい。

2021年11月26日金曜日

ペインポイント

北野です。

最近考えていることの1つに情報発信におけるペインポイントの解消がある。


ペインポイントとは、サービスや商品を利用・購入する人が、利用・購入時に感じる不便さや課題のことを指す。


近い言葉にニーズというものもあるが、ニーズよりももっと根っこにある課題を指す。


この発想は、対飼い主だけでなく、対求職者など様々な場面で必要となる。


ペインポイントを把握する方法はいくつかあるが、単に課題を解消だけでなく、より突っ込んで相手の不幸せとなる状態を理解することを念頭におきたい。


ペインポイントには、大きく分けて、


1)心理面

2)立場面

3)物理面


3つがあると考えている。


どういうことかというと、ある飼い主様が初めて行く病院を探しているとする。


その人は以前行った病院で先生に厳しい言われ方をしたことがあるから、優しそうな先生に見て欲しいと思っている(心理面)。


その人は子供がいて、土日は子供の行事が多いので平日しか病院へ行けないし、夕方には子供のお迎えがあるので、早い時間帯しか通院できない(立場面)。


車の運転が得意でないので、歩いて行けるか車の停めやすい病院がよい(物理面)。


など、様々なペインポイントがあるとする。この飼い主様に自院を選んでもらうためには上記3つのペインポイントの解消策を情報発信しなければならない。


もちろん、全ての飼い主様のペインポイントを解消することは不可能であるが、あらゆる面で事前に検討しておくと、より精度は高まっていく。


しかし、相手のペインポイントを把握しようとせず、自院視点のみで情報発信を続けていれば、数ある中の1軒で終わってしまう。


「そうそう、こういう病院を探してた」となるためにも、ペインポイントの把握と解消に努めていただきたい。





2021年11月18日木曜日

一次情報と二次情報

北野です。

経営に携わる者はあらゆることを判断する必要がある。


判断するためには情報が必要となるが、情報には一次情報と二次情報の2つがある。


一次情報とは、

・自分が実際に目でみたもの

・自分が実際に体験したもの

・自分が実際に聞いたもの


など、自身が直に情報に触れたもの。


二次情報とは、

・誰かから聞いたもの

・何かに書いてあったもの

・セミナーなどで聞いたもの


など、何らかの第三者を介しているものを指す。


コロナ以降は、ソーシャルディスタンスや移動制限、リモートの普及などにより、経営者が現場や当事者と直に触れ合うことが少なくなっている。


前は一次情報が自然と入ってくる状況であったが、今は二次情報しか入ってこないようになっている。


特定のスタッフの評価を、誰かが言っている情報をもとに下すということにもなってきている。


再度以前の状態に戻すことが望ましいのではなく、一次情報と二次情報の違いを意識したうえで、必要なタイミングで一次情報を取りにいくようにしたい。


もともと、動物病院院長はあらゆるモノを自分で把握したいという特性の方も多いため、自然と情報の取捨選別ができるようになった今の状況はむしろ望ましいといえる。


しかし、習慣とは恐ろしいモノで、一次情報に触れなくなって時間が経過すると、それに違和感もなくなってくる。


つまり一次情報無しであらゆる判断をしていくことになり、特に過去の感覚が通用しにくいテーマでは非常に精度が低くなりがちになる。


様々な判断をする際に、自身の判断基準が一次情報、二次情報のいずれに基づくのかを意識していただきたい。

2021年11月5日金曜日

期待値コントロール

北野です。

最近会員様に話していることの一つに、期待値コントロールがある。


現場では忙しい日々が続いており、業績的に好調な病院様が多い。


業績的が好調な要因の1つに、高齢動物の来院がある。高齢動物は何らかの病状があることが多く、そのため来院回数も多いし診療単価も高くなる。


見た目的に来院数は大幅増になっていても、カルテ数は微増となっていることがあるのは、これが理由である。(自院のカルテ数の増減も確認いただくとよいと思う。)


高齢動物の来院が多いということは、飼い主様の求めるものが、病気の治療、病状の正確な把握、今後の見通しの把握などになる。


自分の子が、どういう状態(病気)で、どの程度の回復見込なのか、どういう治療をしていくのか、どういう見通しなのかを知りたいということになるので、コミュニケーション的に満足度を高めるためには練度が必要になっていくだろう。


この層を獲得していくことが、この先より重要になっていくため、HPを始めとするWEB媒体で広告宣伝を強化していくが、飼い主様の期待値は比例して高まっていくことになる。


つまりこの先、経営的には高齢動物獲得が求められる一方で、高まる期待値に応えられないと期待外れとなり再来に繋がらなくなってしまう。


当然、教育には力を入れてはいくものの、それなりに時間はかかるし、従業員のモチベーション次第にもなってしまう。


そういったジレンマに今後陥ってしまうことが予想されている。


そこで、冒頭の期待値のコントロールをできる体制作りを進めておきたい。


現状考えられる方法としては、

1)予約時問診での期待値把握

2)主訴別窓口での期待値分散


があると考えている。


予約制を導入している病院も増えてきており、予約時のオンライン問診などで主訴の確認や内容把握により、適切な獣医師を対応させていく。


もしくは、病気来院と予防来院や、重症来院と軽症来院などの主訴別に診療体制をおいて、ある意味2病院体制的に対応していく。施設を分けることも時間を分けることもできるだろう。


などの方法である。

いずれも、飼い主様の来院時における期待値に基づいた対応や病院作りができるため、満足度の向上に繋がやすい。また大きな期待外れを起こす心配もなくなっていく。


他にもこのような体制に移行するメリットも採用面、教育面においても多々あるだろう。 


ぜひ、どのように期待値をコントロールするかをイメージしていただきたい。

2021年10月29日金曜日

共感を生む組織

北野です。
最近書店などで「Purpose」に関する書籍が増えてきている。
Purposeは直訳すると存在意義となる。


この先の企業経営にとっては、
企業の存在意義を明確にし、どのように伝えていくか?
というのが必要になるという。


動物病院というのは、一般的な業種とは少し異なり、
社会インフラに近い業種となる。


そのため、「動物の病気を治す」というのが、
自然と動物病院の存在意義となるのだが、
競争が発生する中では、その存在意義をさらに拡大する必要があるだろう。

原則、存在意義というのは1つとなり、

(1)対飼主様
(2)対従業員
(3)対求職者

という3つの対象に向けて表現を変えて分かりやすく発信することになる。


これらが必要になる背景には、
(A)顧客市場
(B)人材市場
(C)金融市場
という3つの市場での変化による。

SDGsを代表とする環境志向やエシカル消費の高まり、
お金よりも価値観や社会貢献への職業意識が高いミレニアム世代・Z世代、
ESG投資を重視し始めている金融市場など、

今後さらに企業の存在意義が重要になってくると感じる。


繰り返しになるが、
動物病院はもともと存在意義が既に比較的明確な業種である。

しかし、それは全国に13,000軒ほどある動物病院の
全てが同じである。


そこに甘んじることなく、
先に1歩2歩と枠を広げられた場合には、
先行者メリットは非常に大きいだろう。

是非、自院の存在価値について改めて考えていただきたい。


2021年10月21日木曜日

挑戦するチーム

北野です。

来年に向けて準備を始めている会員様も多い。


コロナ以降、売上は伸びているが、心理的な停滞感もあり、活性化するために新しい取組を始めることをお勧めしている。


新しいことを始めるとき必ず起こるのが、面倒そうな顔をするスタッフ達の存在である。


トップとしては、張り倒したくなる気持ちをグッと堪えて対応していく必要があるが、互いに気持ちよくやっていくためにも、メンバー選定が重要になる。


そんなことを思っていたところ、ある方のメルマガで「挑戦するチーム作り」的な内容があり非常にドンピシャな内容だったので共有したい。


ただし、有料メルマガのため転用不可であり、表現やニュアンスは変えている。


そのチーム作りのためには、

①素直であること

②面白がれること


という要素を持つ人をメンバー選定することが必要とある。


素直であることとは、

・まずはやってみる、ができること

・否定から入らない、言い訳をしないこと

・人の話を最後まで聞けること

・間違ったら謝れること

・嘘をつかないこと


などを指す。


新しいことをやる際は、不確実なことが多く、朝令暮改的に変化させることがある。スピード感が大切なこともある。


頭の回転が速い人は、話の途中で結論を自分なりに出して分かった気になることも多い。しかし、往々にして間違ってることも多い。


なので、素直で無い人がいると、雰囲気を壊すし、無駄な時間を使うことになり進行を止めてしまうことになる。




面白がれることとは、

・知らないことを知ろうとすること

・自分の経験だけで判断しないこと

・失敗してもそこから学べること

・自分で意味を見出せること


などを指す。


新しいことをやる際は、そもそも未経験のことも多いので知らないことばかりである。知らないことを知るためには、自分で知る努力をすることになるし、自分の経験という極々狭い世界で判断しないことが必要になる。


そもそも新しいことをやるということは、自分の本来業務にプラスして行うことになるので、そこに自分なりの意味を見出せないと続かないだろう。



これらを書いていて感じるのが、この2つの要素を持つ人ほど、成長するということである。


逆にこれらを持てない人は、どんなに素養が優秀であっても成長は鈍化し、停滞することになる。あるいは個人事業主として独立して、自身の才能のみで活躍する道を選ぶとよいだろう。


これらはあくまでもチーム内で働くという前提でもある。仕事をやるのであれば互いに楽しくやれると最良だ。


人が人を変えることは不可能だが、変わるための気付きを与えることは可能である。


ぜひ、スタッフ教育の一環として2つの要素について伝えていただきたい。

2021年10月15日金曜日

選ばれる動物病院になるための前提と条件

北野です。

現在開催中の時流予測セミナーでもお伝えしている内容であるが、選ばれる動物病院になるためには1つの前提と3つの条件があると考えている。


1つの前提】

自院の情報発信力が正しく備わっていること


3つの条件】


1)治ること

2)分かること

3)便利なこと


となる。


どんなに3つの条件を備えていても、自院の存在を知ってもらわなければ存在していないのと同じである。


情報発信はWEBSNSなどのデジタル媒体、看板、チラシなどのアナログ媒体とある。これらを効率的に活用することが必須となる。


さらに3つの条件としては、

そもそもの動物病院に対する根本的ニーズである治療、治癒は欠かせない。外からは分かりにくいが、口コミなどの発展に伴い、腕の良し悪しも評価されるようになってきている。そもそも見えにくい部分ではあるので、自院の技術力については実績などの数値にて発信することも必要だろう。


しかし、どんなに腕があっても、全ての病気を治すことは不可能である。そこには、金銭面という飼い主様側の原因もあれば、手遅れなどの病気自体の原因のこともある。そういった場合には、飼い主様がその状態を分かるという状態にしなくてはならない。


理解する納得するなどの状態にすることである。このためには分かりやすい説明というインフォームド力も必要になるし、相手に寄り添うという人間力も必要になる。


こういった人対人の関わりを強化する一方で、いつでも予約できる、知りたいときに後から振り返られる、といったようなデジタル的な便利さも求められるようになってきている。


労働時間削減や業務効率化のためのタスクシフティングを進めていくことで、同時並行的に対応できるようになるだろう。



今までは動物頭数の減少という話題はあっても、高齢動物の増加という単価向上ボーナスがあったため売上への影響は軽微であった。


しかし、動物総数が減り、高齢動物数も減りという状況になると、選ばれる理由を作り続ける必要がある。


何もしなくとも集まる動物病院は一握りである。これらが現実化する前に行動を開始していただきたい。

2021年10月8日金曜日

手段の目的化を防ぐには

北野です。

1弊社の1年で最も力を入れているセミナーである時流予測セミナーが10日より始まる。


その中で話していることでもあるが、目的と手段を意識することが重要となる。


今、病院現場の多くでは忙しい状態が続いており、コロナによる自粛傾向も合わさって新たな取組を始めるモチベーションが上がらない状態が続いている。


このように限りある院長の時間を効率的に使うには、病院経営の目的に基づく取組の取捨選択が必要だと感じている。


今回のセミナーでも多数の具体的事例を紹介するが、どれを始めるべきか悩む方もいらっしゃるだろう。全て行えれば良いが現実的には取捨選択が必要となる。


その中で目的と手段を意識しておかないと、手段の目的化が起こりやすくなる。


LINEFacebookInstagramなどの取組を始める時に、始めたものの何を配信すればよいか?といった相談を受けることがある。本来は目的があって取組を始めたハズが、いつの間にか取組が目的化していることの典型的な例だろう。


これらを混同しないように意識していただきたいのが、目的戦略戦術戦闘という区分けである。戦略戦術戦闘部分が手段となる。


定義として、


【目的】

→ どうなりたいか?どうありたいか?


【手段】

→ 目的を達成するためにとる方法


1)戦略

→ 目的を達成するための資源配分

→ 何をやり、やらないかの選択と集中


2)戦術

→ やることを実現するための具体的プランニング


3)戦闘

→ プランニングを実行するための具体的ツール・媒体


としている。



つまり、LINEInstagramなどの取組は戦闘部分に属することとなり、目的を最上位とする概念では戦略によって、そもそもそれらの取組をしないという考え方もあり得ることになる。


繰り返しになるが、余裕があるのなら情報発信含めて全ての取組を行えるほうがよい。しかし、現実的には予算、人手、時間などの都合で難しい。


また、複数を中途半端にやるよりも、1つに集中できるほうが効率・効果も高くなりやすい。そのため、やはり選択と集中が必要となる。


今回のセミナーは現時点での最新事例を多数盛り込んでいる。ぜひとも会員の皆様にはご覧いただきたいが、手段の目的化にも、ぜひ注意していただきたい。


2021年10月1日金曜日

教育基準をどこにおくか?

北野です。

10月から最低賃金が過去最大の増加となった。

他業界では新規雇用を控えたりするところも出てくるであろう。


会員様の中には、未経験者採用を積極的に行い、優秀な人材の獲得を行えているところもある。


未経験者採用において、よく出てくるのが、応募者の知識不足への不安や教育者の手間の問題である。


こういった不安を口にする病院の多くが、過去に何らかの失敗をしており、その記憶に引きずられていることがある。


話をよく伺うと、教育側よりも新人側に問題があるケースが多い。こういった背景から新たな教育体制の整備や思考回路の転換などが求められるのだが、あの時採用した子にはこれは使えないとか、優秀な人だと使いこなせるけど・・・とかの諦めモードに入ってしまい、結局何も変わらないことが多い。


これは視点を間違えている典型例で、優秀な人を採用したければ、優秀な人に基準を合わせた教育体制を用意するべきで、低いレベルに合わせてしまうと、優秀な人材は採用できなくなる。


教育体制を整備することで優秀な人が魅力を感じて入社する。そして、着実に成長して戦力となっていく。さらに新規雇用においては、成長例として存在することで応募者への実績として訴求できるようになり、良い新規雇用のサイクルとなっていくことになる。


全てのスタートは、視点を高く持つことと変化することである。


諦めモードから脱却していただきたい。


2021年9月26日日曜日

顧客体験の向上

北野です。

最近の話題のテーマにDXがある。


DXはデジタルトランスフォーメーションのことで、デジタルを用いた施策を差すことが多い。


DXは単にアナログなものを

デジタルに置き換えるものではなく、

デジタルを手段として

サービス全体の体験向上を目指すものとなる。


そして、それは部分実現ではなく、

全体実現となることにより、

シームレスな流れとなり

顧客体験の更なる向上となっていく。


これらを全体実現にしていくには、

来院検討時、来院時、診察時、帰宅後まで、

一連のフローに分解した後、

①内部(スタッフなどの病院側)

②外部(飼い主様などの顧客側)

2つの部分から接点を洗い出して、

顧客体験の向上を実現する手法を考えていく必要がある。


病院側が使用する顧客管理システムと、

飼い主様が使用する予約システムは

別運用ではなく連携しているべきであるし、

飼い主様向けの情報発信の主軸となるLINE

予約システムとは連動していることが望ましい。


重要なのは、

アナログをデジタルに置き換えることではなく、

デジタルに換えることでより少ない労力で

サービス提供ができるようにすることである。


電話予約を予約システムに換えることで、

顧客体験は向上するが、

顧客管理システムと連携していなければ、

スタッフは2つのシステムを運用する必要があり、

現場負担が増して対面対応が低下する可能性もある。


今後、様々なサービスが出てきて、

どれを選ぶかを悩むことが出てくるであろうが、

部分実現ではなく、全体実現の視点をもち、

導入運用を進めていただきたい。






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