2022年7月29日金曜日

遠くに行くためには教えよう

北野です。


新人と接しているとイラッとすることがある。

あれ?俺何かなめられてるかも?


様々な先生方とお話ししていると出てくるちょっとした悩みである。


報連相が無い、勝手に判断する、毎回同じ間違いをする、想定外のことが処々発生してくる。


例えば電話対応などで、伝言メモを渡されるが内容が意味不明、受けたメンバーに確認しても要領得ないなどもある。


新人研修などを行う弊社メンバーから聞いた話では、電話対応を教える時に忘れがちなのが、「知識」であるという。


電話口の相手に不快感を与えない、いわゆる接遇的要素も大切であるが、正しく伝達するためには、用語や名前など、知っているか知っていないかの知識が必要とのこと。


知識の理解が本質であり、その上に接遇などが重なっていく。


これは、電話対応などに限った話ではなく、報連相不足や勝手な判断など、あらゆる場面で共通することであると感じる。


なぜ報連相が必要か?

なぜこういう判断が間違いなのか?


院長や管理職の当たり前が伝わらない根底には、「なぜ」を教えていないことがある。


面倒だし、嫌になるし、イラッとするし、一時の感情では投げ出したくなることも多い。


有名な諺に、

早く行きたければ一人で行け

遠くに行きたければ皆で行け


というものがある。

皆で行くためには仲間を作らないといけない。そのためにも、一時の感情を抑えて、しっかり教える。伝わらなければ何回も教える。


忙しい中で行うのは骨が折れるだろう。

ただしかし、そこを避けていては結局自分が忙しいままである。腹を据えて取り組んで頂きたい。

2022年7月22日金曜日

思考整理の枠

北野です。

コンサルタントをやっていると、様々な病院様から本当に様々なご相談をお受けする。


11つの課題は小さくとも塵も積もればということで、全てが積み重なり院長先生のストレスに繋がっていく。


こういった課題を解決する際には、優先順位付けが必要になる。有名な分け方が、緊急度×重要度の高い低いの4象限に分ける方法である。


医療にもSOAPのような整理術があるが、何らかの思考整理形式に合わせて考えると正確に判断を下しやすい。


課題解決を上手に行いながら発展されている院長先生は、こういった思考整理の枠を複数持たれていることが多い。


1つお勧めしているのが、

・感情×ルール

・長期×短期

で課題を分類する方法である。


事業に関わるものから、スタッフ間のいざこざまで課題には大小ある。全てに時間を割いていては時間がいくらあっても足りなくなる。


なので優先順位付けが必要になるし、特に個々の感情に基づく課題は根深いことも多く解決不可能なものもある。


その点ルール決めを行えば解決できるものは、直ぐにでも解決したい。そのため、実行可能性までの短期・長期を分けると、ルール×短期の課題から取り組むことができる。


こういった思考整理術を意識することで、限られた時間を大切に使っていただきたい。

2022年7月15日金曜日

情報収集

北野です。


経営者は孤独、様々な場面で感じることがあるだろう。そもそも立場や視点が異なり、会社への関与やコミット度合が変わるし、リスクを負っているという点でも大きな差がある。


本質的に院内に同じ視点を求めることは不可能である。そうなると孤独を解消するためには、本質的に同じ立場の人に会うしか解決策はない。


先日、弊社のプラチナミーティングというプラチナ会員様のみが集まる情報交換会があった。内容は差し控えるが、自院での成功例や失敗例など忌憚なく公開する会となっている。


いわゆる馴れ合いの場ではなく、互いに発展するための場となっている。孤独を解消するためには、こういった場を含めて師と仲間作りをお勧めする。自身に足りないことを教えてもらう師や、一緒に成長する仲間を自ら見つけに行くことである。


師と仲間という感覚を持てるようになると、孤独感が和らいでくる。孤独感を強く感じている経営者は心が内向きになっているが、外向きに開くようになってくるからである。


さらに仲間という視点を持てるようになると、院内にも一定レベルで仲間がいるのでは?という感覚が出てくる。内向きである時には気づかなかった仲間を院内に見つけることもできるだろう。


コロナ以降、知らずのウチに内向きになり孤独感を強めてしまっていることも多い。ぜひ、様々な場に出て師と仲間作りにチャレンジしていただきたい。


2022年7月11日月曜日

拡大時の鉄則

北野です。

若手の先生を中心に、規模拡大などの準備を進めている。本院拡張、分院開発など様々である。


急成長時には、組織の成長が売上成長に追いつかず、内部崩壊を起こすことがある。胆力のある院長であれば、強いリーダーシップで乗り切るが、成長を止めないためにも、売上規模別に発生しやすい問題を予め知っておく必要がある。


例えば「優秀な人材」という定義も売上規模によって異なる。創業期〜売上8000万円程度までは、実務者として現場を回すことのできるプレーヤータイプが重宝される。


売上1億を越えてくると、院長一人では目が行き届かなくなるため、部下のフォローができる準管理者的なメンバーが必要になる。


さらに1億後半くらいになると、組織階層化が必要になるので、管理者が必要になるという具合である。プレーヤーと管理者とでは必要要件が異なり、優秀なプレーヤーが優秀な管理者になるとは限らない。


そのため、優秀なプレーヤーを予め売上規模の低めの時から管理者意識を持たせる教育を行うか、他メンバーから管理者候補を育てる必要がある。


多くの場合に優秀なプレーヤーを管理者に仕立てた結果、本人の思惑との相違などで関係性が壊れたり、新人を潰す上司化させてしまうことがある。


組織拡大時には、自身のステージの1つ先、2つ先を見据えて準備を始める必要がある。是非先を見据えての取組を始めていただきたい。

2022年7月1日金曜日

パーパス×個人欲求

 北野です。

今年から絆パーパス経営という概念を提唱している。今日はそれに関わる取組を紹介したい。


パーパスとは会社の有りたい姿を明文化し、羅針盤としていく手法である。


パーパスは関わる人、社会、環境に対してどういった影響を与えたいかを3方向に向けて考えていく。


そのため広義で抽象的な表現になりやすい。経営者が使うには便利ではあるが、末端に行けば行くほどイメージしにくく、現場に落とし込むことに苦労する。


そこでお勧めしているのが、従業員個々の原体験に基づく職業選択理由と将来イメージの確認である。


人は何かを選択する際に、無意識にでも個々の原体験を基にしていることが多い。ましてや、高校卒業段階で将来の仕事を決めている動物関連職種従事者であればなおさらである。


病院の有りたい姿と従業員個々の有りたい姿をどの点で結びつけられるかを探っていく。


人が成長するためには、外からの影響ではなく内発的動機に基づく必要がある。内発的動機は本人のwantに紐付いているし、wantの根幹は職業選択理由とも関わっている。


忙しい病院ほど、日々の業務に追われ成長のために必要な内発的動機やwantを忘れがちになり、いつの間にか時間だけが過ぎ去っている。


本来やりたかった仕事であるし成長意欲も高かったにも関わらず、「思ってた仕事と違う」となってしまう。


それらを防ぐためにも、パーパスと個人欲求を結びつけ、取組可能な部分はルール化制度化し、日々の業務に落とし込んでいく。


それが仕事の「やりがい」となっていくだろう。


下期に向けて取り組んで頂きたい。