北野です。
新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、従業員の接種時期も近づいてきている。
東京では東京都の大規模接種会場で獣医師・獣医療従事者への接種が開始されることも発表されている。職域接種は一定以上の接種対象人数や打ち手医師の確保が必要となるため、地域によっては7月以降順次となる場合も出てくるであろう。
院長先生と話していても、接種に対する肯定派・否定派とおられるため、各病院とも接種に対する基準を明確にする必要がある。原則として各病院の方針ではあるが、決めておくべきは以下になると考えている。
なお、弊社会員様には後日、従業員に方針を示すための参考文例を送らせていただく予定である。今しばらくお待ちいただきたい。
(1)接種における姿勢
国としてワクチン接種を推奨してはいるが、副反応の問題もあり、特に若い女性には不安を感じる人も多い。そのため、接種についての基本姿勢を病院として決めておく必要がある。
参考文例としては以下のようなものである。
“ワクチンを接種するか否かは個人の自由であるため、本人の裁量に委ね、強制することはありません。接種に関する情報を自身で確認し、家族やパートナーなど近親者と相談の上、決定してください。”
(2)接種日に休暇を与えるか否か
特別有給休暇として付与する会員様もおられるし、固定給や通常の有休を原則とすることもある。こういったルール付は必要となるであろう。
(3)休暇取得日数
副反応の可能性を考慮し、2日間の連休取得を推奨している会員様もいる。この場合も(2)の取り扱いと同様にルール付は必要となるであろう。
(4)接種者と非接種者の区分け
最も難しいのは、自身の判断で非接種を希望する従業員がいた場合、接種者との区分けを行うべきかという点となる。業務内容は区分けすべきではないが、従業員同士の関係性を考慮しつつ、休憩室を区分けするなどの措置が従業員側から求められるようになるかもしれない。原則として非接種者を差別扱いしてしまう可能性は排除すべきであるが、従業員の心情に配慮していく必要がある。
このように、ワクチン接種が進んでいき、少し明るい未来が見えつつある状態ではあるが、従業員の心情を大切にしておかないと、従業員との関係性が壊れる可能性も出てくる。
今のうちに準備を進めていただきたい。