北野です。
サッカーワールドカップの日本代表が強豪国に勝利した。勝因について色んな論説があるが、その中に監督が選手の自主性を重んじる、というものがある。
今後、これにならい組織論などでも自主性というキーワードが出てくるかもしれない。
まず、履き違えてはいけないことは、自主性を与えられるためには条件があるということである。
また、自主性を重んじることにより、組織が出す結果は思わぬ方向にいくこともある。
自主性を与えられる条件と順番を記載すると
①組織に明確な目標やコンセプトがある
②各個人と組織に一定以上の信頼関係がある
③各個人に一定以上の能力や特異性がある
であると考えている。
歴代のサッカー日本代表監督において、選手の自主性を尊重しようとした方は多数いたという。しかし、目に見える勝利という結果に結びついたのは僅かだという。中には内紛に発展してしまったというケースもあるようだ。
今回の森保監督は発足当時から選手との対話や信頼関係構築を行ったという。つまり上記の①と②を根気強く、本当に根気強く行ってきたという。
常に目に見える結果を求められる代表監督としては、かなりの胆力を要したであろう。
これらをみると、実は0番目として、トップが覚悟を決めて相手を信じる胆力を持つ、ということも条件になるのかもしれない。
組織論というのは表面上の言葉だけが先走りすることも多い。しかし、自主性を重んじるという組織管理方法はキチンとしたステップを踏んでいかないと空中分解を起こしてしまう。
規律を守れるからこそ自主性や自由が与えられる。規律が最初、自主性や自由が次である。この順番だけは理解しておきたい。