北野です。
スタッフの定着率についてのご相談をよくお受けします。
まずスタッフ全体での定着率を見るのではなく、いくつかの層に分けて捉える必要があります。
組織論に2:6:2の法則というものがあります。
上位2割、中位6割、下位2割に分けられます。
定着率を全体の10で捉えるのではなく、
上位、中位、下位のいずれかを見る必要があるでしょう。
個人的には上位2割の定着率が高い病院は相対的に全体での定着率が高い傾向にあり、下位2割までの定着率を気にする病院ほど、全体での定着率が低い傾向にあると感じます。
この上位2割は何らかの形で病院の幹部クラスになっていることでしょう。つまり、この上位2割をある意味えこひいきし、定着させるかが重要だと考えます。
逆に全体の定着率を考えれば考えるほど、チクハグな取組となり、全ての層での定着率が低下することになります。
それは、上位、中位、下位それぞれに属するメンバーのモチベーションの源泉が異なり、下位になればなるほど些細な内容になるからです。
上位スタッフのモチベーションの源泉は成長や仕事のやりがいなど、組織の発展にも関わる内容であることがほとんどです。
つまり、全体を気にするあまり、下位スタッフに引っ張られてしまい、上位スタッフのことがおざなりになってしまいます。
この状態が続くと、上位スタッフの退職に繋がり、さらに中位、下位スタッフの退職が連鎖的に起こることがあります。
それは、上位スタッフは中位、下位のスタッフから個人的に慕われていることも多いからです。
こういったことから、定着率を高める取組においては、上位スタッフに対する取組をどの程度できるかによるでしょう。
経営サイドからすると、スタッフの退職可能性はとても恐いものでもあります。
ただし、優先順位をキチンと行わないと結果として全体に影響が出ることになるでしょう。
しっかりと優先順位を考えて取り組んでいただきたいと思います。